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櫻咲く



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       今年の春は私にとって、特別な春でした。

昨年結婚して嫁いで行った娘に続き、六年間の大学生活を終えた息子も

          とうとう巣立って行ったのでした。

卒業式の朝、関西から出てきてくれた母と息子と三人で大学に向かいました。

卒業を迎えた多くの学生たちや、そのご両親で溢れた会場前で息子と別れ

父兄の会場に母と二人で席すわり、遥か前方のスクリーンを眺めながら

卒業式の始まるのを待つ間、幼稚園の頃の息子の姿が脳裏をよぎります。

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卒業式の間には涙が流れるのかしらと、漠然と考えていましたが

それどころか、スクリーンで眺める卒業式に飽きてしまい、母を促して途中で

          会場を跡にしてしまいました。

後で聞くと、息子も途中退座をしたとか・・・・似た者親子の私達に母も呆れ顔の

              卒業式当日でした。




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そして帝国ホテルで行われた謝恩会では、初めて息子の医学部の同級生を

  紹介してもらい、なかなか楽しい6年間だったのかなと安心したり

105名の卒業生の親御さんの25パーセントがお医者様という事もあってか

   ご父兄のいでたちも華やかで、そんな中母と二人で食の方にばかり

               集中したのでした。




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そして、医師国家試験の発表の日は、家でパソコンの画面を眺めて

       味気なく盛り上がりの欠ける合格の知らせでした。

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お祝いは、娘の嫁ぎ先の富山から贈られた尾頭付き鯛のかまぼこで

                 祝ったのでした。




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三月の最後の日はお引越し、お引越し屋さんを頼んだらと言う私の言う事も

  聞かずトラックを借りてきた息子のお手伝いに借り出され、病院内の

  研修医寮までトラックの助手席に乗り、それでも少しウキウキしながら

     自宅から病院のある広尾まで窓の景色を眺めていました。



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5月には新築の寮が建ち、その後取り壊されるという研修医寮の窓からは

   高圧電線と満開の桜が見え、殺風景な部屋にも少し彩りを

             加えているようでした。

  ここで、息子の新しい生活が始まるのかと思うと、意外にも卒業式より

  感慨深く感じて、エレベータが無く階段で荷物を一人運ぶ息子の姿を

                ソッと眺めていました。


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誰も居なくなった自宅を跡にして、自分の人生が次の段階の入った事を

   感じながら、今度はどんな楽しい事が待っているのかなと

             考えるMrs.Yなのでした。

by mrsylondon2005 | 2007-04-14 16:17

ロンドンの四季を通して、心豊かな日常を綴ります


by mrsylondon2005