櫻咲く
2007年 04月 14日
今年の春は私にとって、特別な春でした。
昨年結婚して嫁いで行った娘に続き、六年間の大学生活を終えた息子も
とうとう巣立って行ったのでした。
卒業式の朝、関西から出てきてくれた母と息子と三人で大学に向かいました。
卒業を迎えた多くの学生たちや、そのご両親で溢れた会場前で息子と別れ
父兄の会場に母と二人で席すわり、遥か前方のスクリーンを眺めながら
卒業式の始まるのを待つ間、幼稚園の頃の息子の姿が脳裏をよぎります。
卒業式の間には涙が流れるのかしらと、漠然と考えていましたが
それどころか、スクリーンで眺める卒業式に飽きてしまい、母を促して途中で
会場を跡にしてしまいました。
後で聞くと、息子も途中退座をしたとか・・・・似た者親子の私達に母も呆れ顔の
卒業式当日でした。
紹介してもらい、なかなか楽しい6年間だったのかなと安心したり
105名の卒業生の親御さんの25パーセントがお医者様という事もあってか
ご父兄のいでたちも華やかで、そんな中母と二人で食の方にばかり
集中したのでした。
味気なく盛り上がりの欠ける合格の知らせでした。
お祝いは、娘の嫁ぎ先の富山から贈られた尾頭付き鯛のかまぼこで
祝ったのでした。
聞かずトラックを借りてきた息子のお手伝いに借り出され、病院内の
研修医寮までトラックの助手席に乗り、それでも少しウキウキしながら
自宅から病院のある広尾まで窓の景色を眺めていました。
5月には新築の寮が建ち、その後取り壊されるという研修医寮の窓からは
高圧電線と満開の桜が見え、殺風景な部屋にも少し彩りを
加えているようでした。
ここで、息子の新しい生活が始まるのかと思うと、意外にも卒業式より
感慨深く感じて、エレベータが無く階段で荷物を一人運ぶ息子の姿を
ソッと眺めていました。
誰も居なくなった自宅を跡にして、自分の人生が次の段階の入った事を
感じながら、今度はどんな楽しい事が待っているのかなと
考えるMrs.Yなのでした。
by mrsylondon2005
| 2007-04-14 16:17